WiMAX 2+の3日間速度制限問題の詳細

表題にあるWiMAX 2+の3日間での速度制限に関する問題とは、端的に言うと2015年2月19日より前に契約した場合は速度制限が”全く”掛からないと案内されて契約した人が多数おり、しかし実際には同年5月の下旬ころから全ての契約者に対して制限が掛けられた、という事実です。当日を含まない直近3日間で3GBを超えると翌日にかけて制限が掛かるというものになります。

筆者はSo-netで「Wi-Fi WALKER WiMAX 2+ NAD11」を契約しており、被害者の一人です。この記事執筆時点ではネット上で炎上、訴訟や行政指導の動きもあるようですが、この問題の真相に迫ります。

なお、後述しますが当該問題はSo-netに限らず、提供会社の多くに同様の事実が散見されます。結論だけ見たい方は「問題の本質」をご覧ください。

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契約の経緯

まず筆者が当該回線を契約したのが2014年8月で、その時点では既にSo-netでイー・モバイル(現ワイモバイル)のGL06Pという機種を使用していました。この機種では契約時点で2014年5月から月間10GBの制限が新たに加わることが明記されており、それは承知の上で契約しています。

その後に回線増設という形で新たにWiMAX 2+を契約したわけですが、筆者が契約した時点ではSo-netのサイトには速度制限が無いことが大きく記載されており、実際に掛からないと読める文章であったと記憶しています。

というのも、この経緯を見て頂くと分かる通り、筆者は既に制限が掛かる端末を所持しているので、それにプラスして制限が掛かる端末を買い増すのは意味がありません。また、筆者は若干の法的知識があるので、少しでも”制限が掛かる”との解釈の余地があったとしたら、必ず確認しています。現に契約のひと月前に同社に問い合わせていますが、その際は速度制限に関しては質問しなかったと通話記録から確認が取れています。

要は普通に広告文を読めば契約期間中は”全く”制限が掛からないと解釈出来る内容なのですが、同社に確認したところ当時の広告は残っておらず、それを証明する手段はありません。問題は次からです。

発表後に確認

2015年1月にUQ(同回線の大元)が同年4月から3日間の制限を開始すると発表があったので「既に契約している人は対象外ですよね?」と確認のためにSo-netのサポートセンターに問い合わせました。そこで担当者が「既存の契約者でも制限の対象となる」と言われました。周知の通り、お客様センターの対応は担当者に依って変わることが多いので、確実な情報が欲しいと思い「上の方に確認してもらえますか?」と伝えました。

そして5分以上待たされて、恐らく上司に確認してもらったところ「契約期間中は3日間の制限も含め”全く”制限は掛からない」と説明がありました。絶対的な無制限であることを強調してしつこく確認したので間違いありません。もちろん、月間制限やau 4G LTE回線との混同はせずWiMAX 2+の回線利用のみという形で確認しています。

それを聞いて安心して、同年2月19日より前に契約すれば契約期間中は制限が掛からないので安心である旨の記事まで書きました。

ちなみにこのページを見ると分かるように、WiMAX 2+は提供会社によって契約内容は異なるとされています。よって、もしUQが制限を掛けたとしてもSo-netでは契約期間中はその影響を受けない、UQとSo-netの独自契約であるとも解釈していました。

実際に制限が掛かる

その後の同年5月下旬ころに速度が0.9Mbps程度の遅さになり、よくこのくらいの速度にはなっていたので様子見のために3日程放置していました。しかし連日0.9Mbpsくらいで推移しており、明らかに人為的に制限を掛けている感じがしたのでSo-netに確認をしました。

そこでの回答が「お客様の契約状況では制限が掛かることはありません」と断言されました。しかし「連日ほぼ同じ速度というのは、自然現象としては考えにくいのですが」と伝えて、上の方に確認をしてもらうと「3日間の制限が掛かっているようです」と回答がありました。

「1月に電話した時には制限は掛からないと案内された」と話すと、こちらの間違いではないかと言い始めたので、通話記録は残っているだろうからそこに録音があれば確認してほしいと伝えて、その2日後に折り返しの電話があり「確かに1月では制限が全く掛からないと案内していたことが確認出来ました。”誤情報”でした」との回答でした。

対応を求める

1月の時点で制限が掛からないと案内していたわけだから、それについてはどう対応するつもりか、本社の方に確認してもらいたい旨を伝えました。故意では無い可能性もあるので詐欺は成立しないにしても、債務不履行は成立すると考えられるからです。もちろん始めから損害賠償や解約は求めていませんでしたが、今後の参考に大手の会社の対応を知りたかったのです。

その数日後に電話があり「お客様にはこのままお使い頂きたく存じます」などと、ふざけた回答をするわけです。制限掛からないって案内しておいて、そのまま使い続けろとはどういう了見だと思いました。通常なら損害賠償や違約金を伴わない解約案の提示があると考えていましたが、少なくとも法律に抵触する行為をしているわけだから、法務部や顧問弁護士とよく相談して対応を決めて、会社としての正式な回答を求めました。

ついでに筆者は前年8月の契約の前に電話をしているので、そこで速度制限に関して言及していないかの通話記録の確認もお願いしました。既述のように、制限についてほんの少しでも解釈の余地があるなら必ず確認しているからです。

また、制限を掛けないと言ってお金を払わせているのだから、それを実現させるべきではないか、つまり少なくとも同社での契約者は無制限にするようにUQに交渉するのが約束を守ることになるので、それが可能かどうかも合わせて伝えました。

そこから約2週間後に連絡がありました。※その通りの発言内容までは記憶していないので、発言の趣旨を記載しています。

  • So-net担当者:7月の通話記録を聞く限りでは、速度制限については話題に上がらなかったと確認しました。
  • 筆者:以上ですか?
  • So-net担当者:以上です。
  • 筆者:それだけで2週間も掛かったのですか?
  • So-net担当者:申し訳ございません。
  • 筆者:(話が先に進まなかったので)それは分かったのですが、先日に問い合わせた際に会社の方針を伺ったのですがその回答を貰えますか?
  • So-net担当者:当社では一貫して3日間の制限は掛かると案内しております。お客様の認識不足ではないでしょうか。←こんな趣旨ですが、要は自分達には責任は無いと言いたいようです。どうも毎度担当者が異なるせいか”制限が掛からないと案内していたのに、制限を掛けた”という事実を知らないらしく、こんな的外れな返答になっています。
  • 筆者:(あぁもうメンドクサイ!)1月の通話記録からもう証拠は取れているので、そのやり取りをそちらの履歴から参照してください!←などと説明し、矛盾した案内をしていたことを納得してもらいました。
  • So-net担当者:会社としては同じ案内で恐縮ですが、このまま使い続けて頂くしか方法はありません。
  • 筆者:それが会社の正式な回答と捉えて良いですか?
  • So-net担当者:そうですね。

まぁこんな感じのやり取りがあったわけです。要約すると、So-net側ではUQと交渉する気も無いし、法的に責任を取るつもりも無い、何もする気は無い、ということです。これがSONY系列の大手企業がやることかと呆れました。

会話の後半で、こういうケースなら違約金なしの解約を提案したりするのが普通では無いですか?などと話していると何故か「お客様の件ではこちらの不手際がありましたので、違約金が無しで解約することが可能です」という話になりました。どれだけ一貫性が無いんだよ!

問題の本質

前置きが長くなって申し訳ないですが、前置きを踏まえた上でここからが重要なところです。

So-netへの2015年1月の問い合わせ電話で、応対したオペレータは「制限が掛かる」と答え、上に確認したところ「制限は掛からない」(恐らくある程度の権限がある上司と推測される)と答えました。同年5月の電話では一度目は「制限が掛からない」と答え、上に確認したところ「制限は掛かる」と答えました。つまり半分の確率で「制限が掛からない」と答えていることになります。その中には上司も含まれており、個人的な錯誤では無いことが伺えます。たまたま筆者が問い合わせた時にランダムに応対した人でもそう答えているわけですから、全体として見れば多数のオペレータが「制限は掛からない」と認識していた可能性が高いと思います。要は同様の案内をされている顧客は多数いることが推測出来ます。

So-netでは一貫して「3日間の制限が掛かることは規約に書いてあるので、規約を読まない客に責任がある」って答弁を続けるわけです。それに対する反論として、法律においてどれほど規約に小さく書いていようが、広告で大きく「制限なし」と謳っているならその答弁は通用しないこと。それも含めて本社の法務部と話し合ってほしいと伝えたはずだけれど、ずっとこちらが悪いと言い続けるわけです。法律よりも規約が優先するとでも思っているのでしょうか?

そしてそれに関連して「規約を読んでいないお前が悪い」と言うなら、So-netの権限ある人間ですら規約を読んでいないことになり、自分達が把握していないモノを販売して、自らを否定していることに繋がる。自分達が読んでいないのに購入者に読めというのは論理矛盾もいいところです。

さらにこの問題は同社に限らず、この記事を見てもらうと分かるようにGMOとくとくBBや本家のUQですら現場の人間は”使い放題”と案内しています。

この事実から導き出される答えは

  • UQ本社が意図的に制限を掛けないと提供会社に伝えていた、あるいはそういう契約内容になっている。それを承知した上で”あえて”2月19日より前に契約した人にも一律に制限を掛けた。
  • 提供会社ですら誤認するような伝え方をしている。

このどちらかの可能性が高いのではないかと推測出来ます。何故かと言うと、WiMAXを契約する上で最も重要なことは”速度制限の有無”であることは間違いないでしょう。その最も重要な部分を”勘違い”するなど到底考えられない。言うなれば国産高級和牛を特売品の豚肉と間違えるようなレベルの話です。

提供会社の多くが”無制限”と認識しているのに、顧客が”制限あり”と認識するのは無理があるでしょう。残念ながら提供会社の多くは”結果論”や”記憶の改ざん”で月間の制限は無いが3日間の制限はある、と”ずっと”案内していたと言う抗弁がよくされています。あるいは誤情報であったと。

当然ながら、規約に何と書いていようが販売者がそう言ったのならそれを信じるでしょう。無制限であると読める広告文で、規約でそれと逆の記載をしたところで法的には許されないことです。それを重要事項説明書に書いてある、と切り捨てるのは責任逃れでしか無く、それがまかり通るなら社会秩序は崩壊するのではないでしょうか。

つまり何が言いたいかというと、現場の担当者ですら”制限は全く無い”と認識していたのに、消費者に違う解釈をしろ、と言う話なのです。1月の電話ではもちろん、制限が発表されてから数カ月経ち、制限が実際に掛かり始めてから電話しても”制限は全く掛からない”と認識している人もいるわけだから、同回線がサービスを開始して少なくとも2月19日より前に契約した人は、販売者も含め”使い放題”であると認識出来る状態にある、のは確実だと思います。※もちろん、現在の広告文章を読んでもあたかも制限は掛からないように読めます。”放題”と大きく表示して、本当に細かいところまで読まない限り3日間制限が掛かるとは分からないし、それが分かったとしたら「高速通信が使い放題!」などの文言が虚偽であることは明白です。

So-netへの提案

既述のように、実際のところ責任の所在は不明確です。一連のやり取りの中で筆者は以下のような提案を同社にしました。

  • 2015年1月のUQが3日間制限の公式発表後でも、5月の実際の制限開始後での問い合わせですらもサポートセンター内で制限は全く掛からないと認識している人が少なくとも半数は存在したわけだから、それに基づいて契約した人も多数いるはずです。まさかこんなくだらない事態になるとは考えておらず、悔やまれることに筆者は前年の7月に電話確認してはいませんが、1月に同センターの上司が”無制限”であると認識していたことからも、前年7月にもしも電話確認していたとしても同様の回答があったと推測出来ます。それに伴う契約者全体に対しての損害賠償の可能性。
  • 仮定ですが、So-net本社がどう認識していたか。つまりUQが元凶でSo-net本社が錯誤に陥るような状況を意図的に作り出していた場合と、So-net本社は制限が掛かることを認識した上で現場の販売担当者にはそれを知らせずに勧誘を行っていた、隠していた場合とでは対応が異なると思うので、内部調査の必要性。ただ後者に関しては、他社や家電量販店においても無制限であると認識していたことからも、So-net本社には騙す意思は無かったと考えています。
  • 前述の「担当者への聞きとりや過去の資料の精査など内部調査」の後、UQに恣意性が認められる場合は他社と共同してUQへの速度制限撤廃や訴訟などの責任追及。←まぁこれは上下関係があるので難しいでしょう。
  • So-netでは同様の苦情が多数あると話していたので、顧客に対して違約金なしの解約や料金の減額。無制限でこの料金、という形の認識で契約している人が多いと思うので。

いずれも最後の電話で提案しましたが、調査後はホームページなどで掲載してほしいと要望しました。まぁしないでしょうが(笑)。同社では問題を軽く見ていたようで、危機感を持って対応しないと今のネット社会を考えれば、信用が低下して新規契約者も減少し経営に支障が出ますよ、とは伝えました。本社に対応を求めてもこのように適当なものなので、正直So-netにはがっかりしました。

また、その他に筆者が取った行動としてはUQサポートセンターに直接、提供会社の多くは無制限であると案内していたようなのでその旨を本社に伝えてほしいこと。消費生活センターに苦情。「総合通信局電気通信サービス苦情・相談窓口」への苦情。ここは通信関係専門の窓口のようで、この件は消費生活センターよりもこちらの方が適しているようです。

ちなみに筆者は解約などはしていません。

筋違いなネット上の見解

余談ですがネット上ではモバイル通信端末で大容量通信を行う方が悪い、動画を見たいなら固定回線を使えとか、ごく一部のユーザーを制限しているだけだから問題無い、などという甚だ筋違いな意見があります。

まずWiMAX 2+を契約する人は固定回線の代わりになるという宣伝を見ていること、何よりUQ自体が大容量通信を肯定、売り文句としています。動画もたくさん観れるよ!と勧誘しているものを契約して、動画を観たいなら固定回線を使えというのは論点がずれています。そして3日間3GBは一日一つの映画を観れば到達するレベルです。仕事から帰って映画を一つ観るのはごく普通のことだと思うのですが、それが”使いすぎ”と判断出来るなら、現在のインターネット社会そのものを否定しているようです。

そもそも大手携帯3社で動画配信サービスを提供しておいて、その回線で制限を掛けること自体が筆者は理解出来ませんが、モバイル端末でも大容量通信を予定しているのが実態ではないかと感じます。※実際は提供しておいて”観るな”と言っているようなものです。

本来の論点はUQが提供会社、消費者を意図的に錯誤に陥らせる、欺いて契約させている可能性があることです。

まったく、UQは最高だぜ!

今回の件で分かったのはUQは”そういう会社である”ということです。当初はSo-netに問題があると考えていましたが、既述の経緯を見れば根本的な原因はUQにあるようです。

UQではWiMAX 2+開始当初から3日間制限に関して規約で言及していたと主張していますが、あれだけ”使い放題”と宣伝しておいて、規約に小さく書いてそれが正当化されるなら、はっきり言って”言ったもの勝ち”、何でもありでしょう。正当性を主張したいなら大きく書くのが筋でしょう。

通常の携帯会社の手法としては、新しくプランを作りそれに伴い他のプランを廃止した場合でも、従前のプランは残してそのまま利用出来るようにしています。例えば消費税は仕方ないにしても、既存の契約者の契約内容を不利に変更することは許されることではありません。

これからWiMAX 2+の契約を考えている方はこの程度の制限なら許容範囲だと思えるかもしれませんが、WiMAXの電波の特徴として建物など環境にとても左右されやすいことが挙げられます。契約段階では圏内で十分な速度が出ていたとしても、基地局との間に建造物が建ったらそれだけで”圏外”になることは有り得ます。auなどの回線では圏外になることは稀だと思いますが、現に筆者はWiMAXで市街地のエリア圏内でも、頻繁に圏外になった経験があります。UQに改善要望を出しても無視される始末です。

現在の寡占状態にある通信業界(主に電波などの回線を提供)は本当にどうかしています。いかに消費者を騙してお金を取るかに必死で、販売担当者ですら難解なサービスを提供しています。もっとシンプルに作ればそこに顧客が流れるのは明白でしょうが、談合のような様相を呈している現状では困難でしょう。まともな業者(というより人間)が現れることを切に願うばかりです。

この記事には続編があります。※2015年7月17日追記

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