犬の鳴き声に迷惑していますか??私は以前は精神的にまいるくらい迷惑していました。犬の鳴き声が問題になるときはたいていの場合、無駄吠えによるものでしょう。多いのは家の前を人が通った、郵便局員がポストに配達に来た、などという吠えるのに値しないことです。
近所で吠える犬がうるさい!何とかしたい!という方に、私の実体験に基づいた具体的な対策と解決した方法を紹介します。
前提として「近所で飼い犬が吠えるのは普通なの?」といった観点から記事を書いていますので、そちらもご覧ください。
私の実体験
まずは私の置かれていた状況を簡単に説明します。閑静な住宅街に住んでいて、犬を飼っているお宅は私が住んでいる家の北西側にあり、およそ30m以上は離れています。(これだけ離れている時点で、かなり全力で吠えていることが分かります)
犬種はたぶんゴールデンレトリバーで、朝6時頃から18時頃まで断続的に吠え続けていました。曜日関係なくこの時間帯はほとんどを外に出していて、周囲を確認の上このお宅しか犬を飼っていませんでした。
こんな状態が数カ月続いて、ノイローゼ気味になって「もうしつける気が無いんだな」と思い、対策することにしました。
具体的な対策
まず、私は紙に「犬がうるさいので静かにしてください」といった感じで書いてポストに投函しました。しかしこれは無視されました。
1週間以上経っても状況は変わらず吠え続けていたので、調べて行政機関を利用することにしました。居住している市役所などにはペット関連の担当部署か、他に動物愛護センターといった専門機関があります。相談先が分からない場合は、とりあえず役所の総合窓口に相談すると良いでしょう。そうすると担当部署を紹介してもらうか、私の場合は担当機関が分からなかったのでどちらにもメールを送って、動物愛護センターの方にメールを転送してもらいました(二重になった)。
そこで送った内容が以下のもの。
飼い犬の騒音に関する指導等をお願いしたいのですが、こちらのアドレスで合っていますでしょうか。
もし、担当が別の場合はそちらを紹介して頂けますと幸いです。
以下は相談内容になります。
場所は〇〇〇(自分の住所)の斜め向かいにある「〇〇」という家です。(※1)
状況は、ほぼ毎日朝6時から18時頃まで断続的に吠え続けています。
私の家は30mほど離れていますが、それでうるさいと感じるので、目の前にあるアパートはさらにうるさいと思います。
ここ数カ月は特にうるさくて、あまりにもうるさいため耳栓を買いましたが、耳栓をしていても聞こえるほどです。(※2)
数週間前に注意文書を投函しましたが、全く改善されていません(※3)。夜中は滅多に吠えないので、朝6時以降なら吠えても良いと考えているようです。夜勤職種があるから生活が成り立っていることを微塵も考えていないことが伺えます(※4)。
犬の騒音が原因で不眠症と診断されており(※2)、また弁護士にも相談して訴訟の準備も進めています(※5)。
その前に、行政の方で指導して頂き、揉めずに解決できることが可能であればと思います。
なお、苦情は匿名で居住場所は30m程度離れていて、耳栓をしていてもうるさいと感じる場所に住んでいるという情報で構いません。
指導等して頂けますと幸いです。
宜しくお願い申し上げます。
この内容で送りました。
※ポイントを解説します。
- まず相手の住所は分からなくても大丈夫です。公的機関なので、飼い犬の情報は持っていると思うのでおよそでOK。
- 犬がどれだけうるさいかという情報もあると良いでしょう。実害があったことも効果的のようです(後述)。耳栓してもうるさいって、これ以上自衛のしようがありません。
- 一度、自分で注意文書を送ったが無視されたことを強調しています。「近所がうるさく思おうが関係無いわ!」って飼い主の態度を担当者に印象付ける効果が期待できます。
- 昼間なら吠えても良いと考えている飼い主が多いと思うので、反論を先回りして封じています。電気やガス、水道やインターネットといったライフラインは夜勤職種があるから成り立っています。つまり、飼い主が生活できているのは夜勤職種があるからで、その人たちの睡眠を犬のしつけもせずに積極的に妨害する行為は実に独善的ということになります。
- 法的手段も考えている、と匂わせることは効果があります(後述)。
この文章を送ったところ数日後には犬の鳴き声が全くと言っていいほど無くなりました。なんか最近静か??犬の鳴き声が無いだけでこんなに静かな住宅街だったとは!と思いました。そこからしばらくして、担当者からメールがありました。
先日、飼い主宅へ指導・確認に伺いましたところ、ご迷惑をかけている方へ直接謝罪したいとのことでした。つきましてはあなた様の連絡先等をお教えいただくか、直接飼い主へご連絡されるようお願いします。
と来たので
内容を拝読致しました。
早速のご指導等をして頂き、感謝申し上げます。犬の鳴き声が無くなり、平穏な日常が戻り嬉しい限りです。
謝罪については、今後も継続して静かにしてもらえれば謝罪は不要です。
と返信しました。
これで解決!と思ったが…
そこから半年くらいは静かだったのですが、また鳴き声がするように…。もちろんほぼ毎朝6時頃からです。数週間くらい我慢していたのですが、いっこうにおさまらないため、また同じところに苦情を出すことに。
謝罪したいと言っておいてまた同じことを繰り返すとか、クレイジーとしか言いようがありません。
その時は自分のメールアドレスを以前とは変えて、前に相談した人とは違う感じで出しました。被害者は多い方が効果的なため。2回目の内容は犬が吠えている時間帯や状況、指導をしてほしいという内容で短く簡潔にメールを送信しました。
そしたら私が出掛ける時にたまたま現場を目撃することができました。市の名前が入ったワゴン車に男女2人で来ていて、苦情を入れてから平日3日後に来ていて「仕事はやっ!」って思いました。男性が説明して、発狂する飼い主も多いと思うのでクッション役に女性といったところでしょうか。役所は仕事が遅いと思っていたのですが驚きです。
ただ、来たのが14時頃でちょうど飼い主宅が留守で面会はできなかったようです。しかし好都合なことに、その担当者がインターホンがある塀のあたりに立つと犬は吠えまくり。お陰で飼い主不在の時に鳴き声がうるさいことが公的機関によって証明されました。
その後にもう一度面会に伺ったと思われ、翌日くらいからはまた静かになりました。そしてその時は謝罪や返信はありませんでした。なので恐らく、相談内容はある程度飼い主に伝えていると考えられます。”不眠症になって訴訟の準備を進めている”なんて言われたら、普通は「裁判起こされる?」と思うでしょう。それで1度目は謝罪の申し入れがあって、2度目は無かったのだと思います。
それ以降は、たまに夕方に5~10分程度吠えるくらいで、それ以外の時間帯はほとんど吠えなくなりました。ようやく平穏な日常が戻ってきました。
法的手段は取れる?
私は法学部を出ているので、簡単に説明します。まず、民事上は飼い犬の騒音によって不眠症やうつ病になった場合は治療費や通院費、慰謝料などの請求が可能です。請求する場合は、いつ吠えていたのか日時や状況に関するメモがあると有利ですし、不眠と犬の騒音に因果関係が必要なので証拠は残しておいた方がいいでしょう。
金額は大したことにならないと思いますが、重要なのは裁判になることです。裁判は公開の法廷でされるのが基本なので「犬の鳴き声で病気になった。そしてその改善を求めたが無視された」という事実が公開されることになります。当然ながら近所からは白い目で見られるでしょう。つまり、犬の鳴き声の苦情を無視することは、今後の近所づきあいで孤立する可能性があるということです。一般常識があれば法的措置は避けたいでしょう。
刑事上だと、暴行罪か傷害罪が成立することがあります。何度も苦情や公的機関からの指導があったにもかかわらずそれを無視し続けた場合、飼い主のせいでうつ病などになったということで刑事事件にすることも可能です。ただし簡単ではないです。
ちなみに法律相談は法テラスや弁護士会などが無料で行っていますが、条件がありますので検索して確認してみてください。弁護士も人によって結果が変わるので、無料の場合は考慮する必要があります。有料なら不法行為などの損害賠償に強い弁護士を選ぶと良いでしょう。本気であることを示す目的なら、行政書士に内容証明の作成を依頼すると安価に済ませることができます。
最後に
犬の鳴き声がうるさい時でも泣き寝入りする必要はありません。犬の鳴き声がして、それを不快に思うレベルなのは普通のことでは無いのです。行政機関もそれを理解しています。※詳しくは下記参照。
飼い犬の騒音問題は行政機関が解決の手助けをしてくれます。まずは居住地の役所にメールなどで相談すると、対応してくれるでしょう。私はその後も犬の鳴き声はほとんど聞こえずに暮らせています。一度でおさまらない場合は何度でも行政機関に苦情を、それでもおさまらなければ法律問題にすることもできるので、諦めずに試してみましょう。