賃貸2階建ての1階に住んでいて、上階で流した排水が臭う(におう)ようになりました。入居して当初は臭いがしなかったのですが、しばらく住んでいつからか悪臭が漂い始めるように。場所はキッチン(台所)の下あたりからで、廊下全体が臭く(くさく)なります。
初めは自室の排水溝が汚れていて臭いのかと思い、掃除など対策をしましたが改善せず。そして、あるとき気付いたのです。
上の階からの排水が臭いのでは?
と。理由は
- 上階が風呂に入ると音で分かるため、その後20分から1時間の間に臭い。シャンプー・ボディーソープの臭いがする
- 上階が不在のときは無臭
など臭いがするタイミングがありました。”排水溝が臭い対策”として調べると、ほとんどが自室の排水溝掃除に関する記述ですが、上の階の排水が臭うのはよくあることのようです(後述)。
そこで、ここでは上の階の排水が臭いときにどんな解決方法があるかを紹介します。※排水溝が詰まったり流れが悪いことはありません。
簡易的な対策・解決方法
これは私がいくつかのパターンを試した結論ですが、
- 換気扇をつける位置で臭いの強さに変化がある
- 上流で水を流すと改善されることがある
1について、臭いと換気扇をつけたくなりますが、これはどうやら逆効果の模様。私の環境ではキッチンが臭いのでキッチンの換気扇を”強”でつけると、逆に臭いが増しました。そして、お風呂場の換気扇を止めると臭いが薄くなりました。ただこれは初めは有効だったのですが、そのうち変わらなくなったので効果は限定的。
現在の住宅は気密性が高く、換気扇をつけると排水溝のある付近から空気の流れが発生し、つけると悪化することがあります。
2については、臭いがする排水溝より上流で水を流すと改善されることがありました。上階が風呂に入るとシャンプー臭いのですが、私も同じくらいのタイミングで風呂に入って上がると全く臭いがしないことが多かったため、臭いがする排水溝より上流から押し流してやると効果があるかもしれません。
こんな感じでダマシダマシやっていましたが、上階の住人が休日で洗濯や掃除をしているとずっと臭うようになって、上記2点も効果が薄くなってきたため対策をすることに。
排水ホース周辺を養生テープでふさぐと効果がある?
どこかで見たのですが「臭いがする排水ホース周辺を養生テープでグルグルに巻いてふさぐと臭いがしなくなる」といった情報がありました。こんな感じ。
これは臭いがするキッチンのシンク下の排水ホース周辺。併せて上述の換気扇をつける位置を変えることで、ほとんど臭いはしなくなりました。ただ、しばらくするとまた臭いがし始めて、幸せなときは長くは続きませんでした。
そして、見た目としてはこれで臭いがしない気がするのですが、この処理はあまり意味がありません(後述)。自分でできる対策を色々と試しても解決はしなかったため、管理会社に相談することにしました。
専門業者による臭い対策
賃貸なので管理会社に電話をして、状況を伝えました。ちなみに住宅の設備に関する経年劣化は大家負担で修繕なので、意図的に何かをしていない限りは費用は発生しません。法的には賃貸で住むために必要な修繕費用は、毎月の家賃に含まれていると考えられています。
その後、専門業者から電話がきて状況を説明しました。対策がないかを聞いたところ、防臭キャップ(防臭ゴム)が劣化している可能性があるとのことで交換を前提に見てもらうことに。
まずは汚れないようにブルーシートなどを敷き、排水ホースを外します。
左が古い排水ホースと防臭キャップ、右が新品です。どうやら防臭キャップが劣化して隙間ができていたようで、新しいのと交換することに。
排水ホースのつなぎ目、防臭キャップの周辺はこんな感じ。自室の排水ホースと上階からの排水管がここでつながっています。そのつなぎ目から臭いが上がってこないように、隙間を埋める目的で防臭キャップがあります。
そして見てもらうと分かりますが、排水ホースのつなぎ目はキッチン下の収納部分ではなく、さらに下に空間があってそこでつながっている状態。前述の養生テープで巻いても意味がない理由はここにあって、臭いは上にだけではなくキッチンの隙間からも漏れるので、根本的な解決にはなりません。
そして排水ホースと防臭キャップの交換後、元に戻して終了です。
こちらは洗面所の排水ホースつなぎ目。念のために確認して、洗面所の方は直結で臭いがすることは無いとのこと。
- 洗面所は直結
- お風呂場は排水トラップがある
- 洗濯機の排水トラップも水がたまっているので問題なし
- キッチンは排水トラップに水があっても、防臭キャップが機能していないとつなぎ目から臭いが漏れるため交換
- トイレは排水管が別
という感じで臭いがする可能性があるところを処置しました。
そして電話の際に一度も排水管の洗浄をしていないという話になり、排水管の高圧洗浄もすることに。ちなみに排水マス(排水枡)という排水が合流する箇所があるのですが、ここが汚れていると排水がスムーズに流れずに臭うことがあるそう。
ただ、私も外にある排水マスを見せてもらってキレイなことを確認し、排水マスはアパートなど集合住宅の場合はあまり汚れないそうです。下流にあると上流から頻繁に排水があるため、汚れづらいのだとか。時間は40分くらいで終わりました。
ヤター!これで無臭の日々が戻ってきたー!!
と思いきや・・・
防臭キャップ交換後また臭くなる
なんと少ししてからまた臭い始めるように。最初は何かの間違いかと思っていましたが、しっかりシャンプーと排水溝の混ざった悪臭がします。ちなみに私は無臭の石鹸しか使わず、洗剤もほとんど匂いがしないものを使う生活をしています。
そしてまた管理会社に電話をすることに・・・。その後、紆余曲折あってまた業者が来ました。業者はその間に担当が別になり、別の会社の担当者が来て見てもらったところ防臭キャップが浮いているとのこと。
どうやら防臭キャップは普通に取り付けるだけだと、例えば排水ホースが斜めに入っていたりして時間が経つと隙間ができることがあるらしいです。そして防臭キャップが外れると臭いだすため、何もしなくても隙間ができるとのこと。それでまたまた防臭キャップを交換することに・・・。
今度の防臭キャップ(排水アダプターというらしい)は接着剤(ボンド)で取り付けるため、隙間ができることはあり得ないと自信を持って言われました。築年数が経つと防臭キャップに不具合が出て臭いがするのはよくあることのようで、依頼も多くその際は接着剤付きの防臭キャップに交換するのが一般的なのだとか。
前の業者はそんなこと一言もなく、「上の階の排水が臭いという話はあまり聞かないですね~」みたいな感じだったので、業者によって経験の差が大きいようです。
排水ホースは交換したばかりだったので、防臭キャップだけ交換することに。
前回の排水ホース交換では長さ調節が不十分で斜めに入っていたようで、それが防臭キャップがずれる原因に。今回はガリガリ削ってストレートになるように長さ調整していました。
そしていよいよ接着剤をハケ的なもので排水ホースと防臭キャップの双方に塗り、取り付けていきます。青いのが接着剤、下に見えるナタみたいなのがガリガリ削ったやつです。
交換が完了しました。これで防臭キャップが動くこともなく、隙間が発生することは無いとのこと。
最後にキレイに元に戻して終了。シンク下収納のさらに下に空間があるため、防臭キャップを何とかしない限り隙間から臭いが漏れます。時間は30分かからないくらいでした。
これでやっと悪臭から解放されるー!
・・・と思い喜んでいたのですが、なんと完全には臭いは無くならず。シャンプーの臭いは減った気がするのですが、おそらく掃除や洗濯などをしていると洗剤と排水溝の混ざった臭いがして、前よりは良くなった気がするけれど変わらず臭いはしています。
防臭キャップ交換では解決しなかった
上階が不在のときは臭いはせず、深夜にトイレで起きたときに臭いがしたことは一度も無いので、自室ではなく上階からの排水が原因なのは間違いありません。
2回目の業者については「これで臭いはしなくなります。臭う場所が無いですから」と断言していましたが、残念ながら少し臭いが減った程度。推測ですが、排水管のどこかに隙間ができていて、そこから臭いが漏れている可能性が一番高いと考えられます。そうなると規模の大きい工事が必要になりそうなので、さすがに面倒です。賃貸でそんな面倒なことをするなら引っ越した方が現実的です。
現状は排水が流れにくい、水漏れなど物理的な不都合はなく洗面所で水をしばらく流すと臭いは消えるので、それで対処しています。
ということで、防臭キャップ(排水アダプター)の交換では臭いは消えませんでした。ただ、2回目業者の話では上階の排水の臭いが1階で漏れることはよくあることで、通常なら防臭キャップを交換すれば解決するようです。私のケースは特異な可能性もあるので、まずは管理会社に相談して対策してもらうと良いでしょう。